日本語は話せますか?

と聞かれればそれはもうもちろん、日本で暮らしていれば当たり前に話せるようになっているはずですが

ビジネスシーンでの日本語の使い方は問題ありませんか?

といわれると急に雲行きが怪しくなってくることは様々な人が経験しています。

社会に出る前に一通りのレベルで学校などで教わっていれば安心ですが、何故か社会に出てから自ら学ばないといけない不思議なものがビジネスシーンでの敬語です。

今回はビジネスシーンでもあたふたしないように、正しい敬語や謙譲語について見ていきましょう。

この記事はこんな人が書いています

1992年生まれ。臨床検査技師として勤務中から自己投資を重ねるも、選択を誤ったことから結果として借金400万円を抱える。

その後に出会ったナポレオンヒル・プログラムで正しいロジックを理解し、1年でそれまでに抱えた借金を完済。さらにその後1年間でTACT運営に携わりながら全国にビジネスパートナーを作り独立。

ナポレオン・ヒルのインストラクターとしても大企業の管理職からスタートアップの個人事業主まで、幅広く全国にクライアントを抱えてサポート。

ビジネスマナーと徹底したフォローにはクライアントからも定評がある。

~主な取り扱い業務~

営業 / セールスのレクチャー
プロモーションのサポート

金子理沙

ナポレオン・ヒル財団 アジア/太平洋本部
公認販社リアライズ マネージャー

ビジネスマナーの敬語は正しく使えている?心配な方もこれで安心!

敬語の持つ役割

役割と書かれたブロック

敬語は、時代が変わっても一貫して重要な役割をもっていますが、その役割は時代に応じて変化しています。

以前の日本では、敬語が上下関係を明確に表す役割を持っていた時代もありました。

その風潮からも

敬語は人間を上下に位置づけるもの

として認識されている方も多くいらっしゃいますが、時代に応じて敬語に対する考え方も変わってきました。

平成19年に文化庁より「敬語の指針」がまとめられました。そこには、現代の敬語は

相手を尊重する気持ちの表れ
相手の社会的立場を尊重する敬意の表れ
相手との親しみの程度を表す

など、意識に基づいて言葉を選択して良い、とされています。

これは相手のことを必要以上に尊大したり、見下すことなく、お互いに尊重する気持ちで敬語を使うことが重要ということです。

敬語は相手とのコミュニケーションを円滑にする

会話で盛り上げる社員

敬語は話し手がその場の人間関係や状況をどのように捉えているかを表現するものです。

例えば

田中様が、お見えになりました

との尊敬語は、話し手が田中さんを立てるべき人として捉えていることを表現します。

社会人は、年齢、性別、役職、社内社外など様々な人間関係があります。

状況に応じた適切な敬語を使えるようになるためにも、事前にどのような敬語を用いるとどのような人間関係が表現されるのか?を自らに問いかけ、考える姿勢が重要です。

そして年配の方ほど、言葉遣いに意識が向いています。

なんとなく敬語を使うことで相手を不愉快にさせないよう、日頃から言葉の持つ意味や表現に気を配り、適切なコミュニケーションを取ることを心がけましょう。

敬語の種類

カラフルな付箋

敬語は「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の大きく3つに分けられます。

文化庁が発表した敬語の指針では、謙譲語が「謙譲語Ⅰ・Ⅱ」に分けられ、お茶やお料理のように「お・ご」をつけて丁寧に表すものを「美化語」として発表されました。

丁寧語です・ます丁寧語
美化語お酒・お料理丁寧語
尊敬語いらっしゃる・おっしゃる尊敬語
謙譲語Ⅰ伺う・申し上げる謙譲語
謙譲語Ⅱ
(丁重語)
参る・申す謙譲語

丁寧語

話しや文章の相手に対して丁寧に述べるもの。

丁寧語の一例

海外へ行ってくる → 海外へ行ってきます

このように文末を「です、ます」に変えることで丁寧な表現になります。

尊敬語

相手を高めて、敬意を表す表現。

<行為者>を立てる。

尊敬語の一例

部長がこちらへお越しになります

これは「部長がこちらへ来る」と同じ内容です。

<行為者>である部長を立てる敬語として働いています。

謙譲語Ⅰ

自分側から相手側に向かう行為・ものごとなどについて、その<向かう先>の人物を立てて述べるもの。

謙譲語の一例

部長のところに伺います

「部長のところへ行きます(訪ねます)」と同じ内容です。

<向かう先>である部長を立ててる述べ方です。

謙譲語の一例

部長より品物を頂戴しました

「部長より品物を受け取りました」と同じ内容です。

品物を渡すという点では部長は<行為者>になりますが、もらう側、受け取る側からの視点で見れば、部長は<向かう先>になります。

謙譲語Ⅱ

自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の<相手>に対して丁重に述べるもの。

謙譲語Ⅱの一例

私は、明日から海外に参ります

「私は、明日から海外に行きます」と同じ内容です。

自分の行為である「参る」が話し相手への丁寧な表現として述べられます。

注意するポイント

✖️ (あなたは)どちらから参りましたか?

✖️  部長は海外に参ります。

これらは不適切な敬語になります。

謙譲語Ⅱは<自分の行為>に使うものです。

相手側の行為や、立てるべき人物の行為に使うのは誤っていますので注意しましょう。

適切な正しい使い方

正しくは、尊敬語で

◯(あなたは)どちらからいらっしゃいましたか?

◯ 部長は海外にいらっしゃいます

謙譲語Ⅰ・Ⅱはどう違うの?

類似点もあるため謙譲語としてまとめられていましたが、性質の違いもあるため謙譲語Ⅰ・Ⅱと分けられました。

謙譲語Ⅰは、<向かう先>に対する敬語
謙譲語Ⅱは、文章や話しをする<相手>に対しての敬語

このようになります。

また、立てるのにふさわしい<向かう先>である時に謙譲語Ⅰを用います。

使い方を誤ってしまう例

◯ 部長のところへ伺います

✖️ 後輩のところへ伺います

向かう先が立てるのにふさわしい対象であるか。

後輩は立てなくても良いので、ここでは謙譲語Ⅰは使いません。

使用しても問題ない例

◯ 部長のところへ参ります

◯ 後輩のところへ参ります

謙譲語Ⅱは話をしている相手への敬語を表現するため、<向かう先>が立てるのにふさわしいかどうかではなく使用することができます。

ビジネスの場でよく使われる敬語の一覧

よく使う言葉丁寧語尊敬語謙譲語
分かる分かりましたお分かりになる
ご理解頂く
畏まる
承知する
するしますされる
なさる
致す
させて頂く
座る座りますお掛けになるお座りする
座らせて頂く
言う言います仰る
言われる
申し上げる
申す
待つ待ちますお待ちになる
お待ち下さる
お待ちする
伝える伝えますお伝えになる申し伝える
会う会いますお会いになる
会われる
お目にかかる
いるいますいらっしゃる
お出でになる
おる
行く行きますいらっしゃる
お出でになる
伺う
参る
帰る帰りますお帰りになる
帰られる
おいとまする
知る知っていますご存じだ
お知りになる
存じ上げる
承知する
聞く聞きますお聞きになる伺う
拝聴する
与えるあげます下さる
お与えになる
差し上げる
見る見ますご覧になる拝見する
食べる食べます召し上がる
お上がりになる
頂く
頂戴する

敬語を使う時の注意点

赤文字でチェックと書かれたノート

二重敬語

一つの後に対して、同じ種類の敬語を二重に使ったものを二重敬語といいます。

二重敬語の一例

「お帰りになられる」は、帰るをお帰りになると尊敬語にした上で、さらに尊敬語の〜れるを加えたものです

一般的には不適切な表現ですが、習慣として定着しているものもあります。

その他によく使用される二重敬語の一例

お召し上がりになる

お見えになる

お伺い申し上げる

敬語連結

2つ以上の語をそれぞれ敬語にして、接続語詞「て」で繋げているものは二重敬語ではなく、敬語連結といいます。

敬語連結の一例

「ご覧になっていらっしゃる」は

見ているの「見る」を「ご覧になる」に

       +

いるを「いらっしゃる」に

このようにして繋げたもの

つまり「見る」「いる」という2つの語をそれぞれ敬語にして繋げたものです。

この場合は二重敬語には当たりません。

敬語連結は敬語の結びつきが不明でない限りは、基本的に許容されます。

まとめ
  • 敬語は上下関係を示すものではなく、お互いに尊重する気持ちが大切
  • 敬語は話し手がその場の人間関係や状況をどのように捉えているかを表現するもの
  • 誰を立てて表現しているのか?立てる相手を意識して適切な敬語を選べるように練習しましょう